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HOME >> Ⅲ 建設現場におけるネットワーク構築の実際 >> 4. ネットワーク設定

4. ネットワーク設定

ネットワーク設定の際に、決定すべき事項についてまとめる。

(1)IPアドレス
IPアドレスとは、コンピュータや通信機器1台毎に割り当てられた識別番号のことである。同じネットワーク上では、IPアドレスに重複があってはならない。
現場事務所などの小規模LANでは、クラスCのプライベートアドレス(192.168.*.*)でLANを設計する場合が多い。パソコン側の具体的な採番方法としては、1台毎に手動で設定していく方法と、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サービスを利用してサーバー側から自動的にIPアドレスを取得する方法がある。DHCPの方が簡単にLANを構築できるが、部外者のパソコンでもLANケーブルを接続すればLANに参加できてしまうので、情報セキュリティ対策を考慮すると手動で設定した方が望ましい。
一般的に「サブネットマスク」「デフォルトゲートウェイ」「DNSサーバー」の値は、同じLAN内では、全ての情報機器は同一になる。
現場事務所内では、表4-1のようなIPアドレス管理表を利用して、現場事務所内のパソコンを管理していく。

表4-1 アドレス管理表
IPアドレス利用機器コンピュータ名所属/利用者採番備考
192.168.0.10ルータROUTE01A社用ルータ,DNS固定メーカ名 型番等
192.168.0.11ノートPC0001A会社/東京 太郎固定メーカ名 型番等
192.168.0.12ノートPC0002A会社/大阪 次郎固定メーカ名 型番等
192.168.0.13デスクトップPC0003A会社/福岡 花子固定メーカ名 型番等
192.168.0.30ルータROUTE02B社用ルータ,DNS固定メーカ名 型番等
192.168.0.31ノートZB0001B会社/東北 三郎固定メーカ名 型番等
192.168.0.32デスクトップZB0002B会社/仙台 一郎固定メーカ名 型番等
192.168.0.50プリンタPRN0001共有プリンタ固定メーカ名 型番等
192.168.0.60NASNAS0001共有ファイルサーバ固定メーカ名 型番等
192.168.0.100
~150
DHCP原則使用不可

(2)ワークグループ
ワークグループは、小規模なWindowsネットワーク上に存在するグループのこと。同一LANならば、異なるワークグループに属している情報機器にも簡単にアクセスできるが、無用なトラブルを避けるためにも、同一LANの場合は同じワークグループ名に設定しておくほうが望ましい。
文字数は15バイト(半角英数字15文字)以内で、特殊記号「; : " < > * + = \ | ? , 」は利用できない。

(3)コンピュータ名
LAN上で人間が識別しやすいようにつける名前のことで、IPアドレスと同じように、同一LAN上で重複しないようにコンピュータ名を割り当てる。
使用できる文字は半角英数字の15文字以内で、特殊記号は利用できない。
ワークグループと重複する名称は不可。

(4)ネットワークの維持管理
現場事務所内に必ず1名「ネットワーク担当者」を任命し、現場事務所LANの維持管理を図る。ネットワーク担当者は現場事務所の勤務者が好ましいが、情報システム部門または支店関係部門の担当者でもよい。

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