2002/10/7掲載

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公共事業労務費調査を受けられる皆様へ
・・・ 調査票は正しく記入しましょう ・・・

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目次
1.ご存知ですか?東京の労務単価が低いことを!
2.労務費調査の際にはこんな点にご注意下さい。
3.実物給与も賃金の一部です。

●労務費調査の際には、こんな点にご注意ください。

 労務費が10%上がったと仮定します。工事に対する労務費率が20%とすると、全体で20%×10%=2%分設計工事価格が増える計算になります。調査票の記入にあたっては、以下のことに留意して、正しく記入するよう心がけてください。

●職種を正しく分類する

 労務費調査の結果を見ると「○○鉄筋(株)の賃金調査票は職種が全て鉄筋工になっている」といったケースが多々ありますが、各労働者の作業内容、技能レベルによらず、○○鉄筋(株)の社員全てを鉄筋工とするのは誤りです。
土木工事の標準的な積算基準施工歩掛は次のようになっています。

■標準施工歩掛例の技能労働者率

(単位:人)

職種 / 工種 足場組立 コンクリート打設工 型枠工 土留支保工 鉄筋組立
世話役 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0
一般技能労働者 特殊作業員
2.8


とび工 1.8

1.9
型枠工

5.1

鉄筋工



4.5
溶接工


1.0
普通作業員 2.5 4.3 3.1 1.9 4.0
5.3 8.1 9.2 5.8 9.5
技能労働者率 34% 35% 55% 50% 47%
(施工歩掛は施工条件、規模によって異なります。)

 例えば、鉄筋組立の場合、世話役1人に対し鉄筋工4.5人、普通作業員4.0人というのが標準の組合せになりますが、もしこれを全員鉄筋工とすると本来普通作業員であるべき人が鉄筋工としてカウントされるため、結果的には鉄筋工の労務単価が本来の単価より低い単価となることが想定されます。また型枠の仕事に従事している作業員は全員が型枠工、足場の仕事をしている作業員は全員がとび工ではありません。上記の標準施工歩掛の技能労働者率を参考に、各労働者の作業内容、技能レベルをもとに、どの職種に該当するのか正しく分類してください。

●鉄筋組立の技能労働者率(例)

鉄筋組立の技能労働者率(例)
世話役
鉄筋工
普通作業員

●所定労働時間について

所定労働時間の正確な記入についてのお願い

 これまでの調査結果を見ますと1日の所定の労働時間はほとんどの会社が8時間となっています。そして通常、設計労務単価は8時間(法定労働時間)あたりの労務費として計算されます。

設計労務単価=(調査結果の労務単価÷所定労働時間)×8時間

1日あたりの賃金が18,000円として

  A.所定労働時間が8.0時間の場合・・・・・設計労務単価=(18,000÷8.0)×8.0=18,000(
  B.所定労働時間が7.0時間の場合・・・・・設計労務単価=(18,000÷7.0)×8.0=20,600(

 所定労働時間が1時間少なくなることによって設計労務単価は、÷1.144すなわち14.4%のアップとなります。例えば、午前8時から午後5時までの労働で、休憩が午前30分、午後30分、昼休みが1時間の場合は1日の所定労働時間が7時間となります。実際の所定労働時間が少ないのであれば就業規則を変更して、実際に合った正確な労働時間を記入することが非常に重要です。
 月曜日から土曜日までの1日の所定労働時間が7時間の場合、1週間あたりの労働時間は7時間×6日=42時間となりますが、変形労働時間制を採用すれば、年間平均労働時間を週40時間以内にすることもできます。

1カ月あたりの所定内労働時間の記入についての注意点

 調査票にある所定内労働時間の計算方法は、次の3通りとなります。いずれも週40時間労働を基本としており、
この時間をオーバーした所定内労働時間を記載してある調査票は無効となるので注意してください。

1) 賃金計算期間の暦日が30日の場合(賃金締切日が10月1日〜10月30日の場合)
  30日=4週+2日・・・・・・最大所定内労働時間=40時間×4週+8時間×2日=176時間
   
2) 賃金計算期間の暦日が31日の場合(賃金締切日が10月31日の場合のみ)
  31日=4週+3日・・・・・・最大所定内労働時間=40時間×4週+8時間×3日=184時間
   

3)

1年間単位の変形労働時間制の場合
  調査月の所定労働時間が上記の時間を超えてもかまいませんが、その場合には必ず監督署に届け出た協定内容と合致しなければなりません。
(労使間協定書及び年間休日カレンダーを必ず持参してください。)
※変形労働時間制の場合は、上記の集計の計算結果の時間を「調査票−1」の所定内労働時間記入欄の上に(  )書きで記入してください。
   
4) 上記1)〜3)の所定時間を超えた時間については「時間外・休日」の欄に記入してください
  ※1)〜3)の時間数は労働基準法上の最大値です。
各社毎に就業規則で計算して記入して下さい。
※所定内労働時間の記入には、労働基準監督署に届け出ている「就業規則」が必要です(労働基準法89条第1項)
もし届け出をしていない場合は今後のためにも届け出をお願いします。 また実際には昼休み以外の休憩をしているのに、所定労働時間が8時間になっている場合は 変更届けを出してください。(従業員が10人未満の場合は必要ありませんが、その場合は「雇用契約書」に明記してください。)