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「世界都市・東京」を目指して進行中の大型プロジェクト
~汐留・秋葉原・六本木六丁目・六本木一丁目西~
(東建月報8月号掲載)


▲汐留地区の完成予想図(「汐留地区開発プロジェクト総合案内」<2000年7月1日発行>より)[写真提供/汐留地区街づくり協議会]
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▲旧国鉄貨物駅跡地とその周辺で大規模な区画整理事業が進行中の汐留地区
[写真提供/東京都建設局]
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旧国鉄貨物駅と神田市場の跡地などで土地区画整理事業が進む秋葉原地区
[写真提供/東京都建設局]
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2003年竣工予定の六本木ヒルズの完成予想図[写真提供/六本木六丁目地区市街地再開発組合]
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従前の六本木六丁目地区
[写真提供/六本木六丁目地区市街地再開発組合]
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民間で国内最大級の規模を誇る六本木六丁目地区の再開発事業
[写真提供/六本木六丁目地区市街地再開発組合]
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営団地下鉄南北線の新駅と直結する六本木一丁目西地区
[写真提供/六本木一丁目西地区市街地再開発組合]
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従前の六本木一丁目西地区
[写真提供/六本木一丁目西地区市街地再開発組合]
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2002年竣工予定の六本木一丁目西地区の完成予想図(設計監理・日建設計)
[写真提供/六本木一丁目西地区市街地再開発組合]

 平成12年(2000)12月、東京都は「50年先を展望した東京の望ましい将来像を描き、その実現に向けた取り組みの全体像を明らかにする」として、「東京構想2000」を策定した。東京のインフラ整備も、これとにらみ合わせて進められているわけだが、それによると、首都としての東京は、「高度の都市機能の集積を活かしつつ、激化する都市間競争に勝ち抜き、日本経済を力強く牽引する世界に冠たる国際都市」、「世界中の人、もの、情報等が行き交う都市」として位置付けられ、21世紀の東京の望ましい姿は、「1千2百万都民がいきいきと暮らす生活の場であるとともに、活発な経済・文化活動が営まれる活力と魅力にあふれた都市であり、世界中の人びとを魅了し、惹(ひ)きつける『千客万来の世界都市』」とされている。そして、「千客万来の世界都市・東京」を実現するうえでの基本目標として、「誰もが創造力を発揮できる東京」、「都民が安心して生活できる東京」、「先駆的なメッセージを発信できる東京」の三つのイメージを挙げている。

 今回は、この「千客万来の世界都市・東京」にふさわしい街づくりに取り組む、現在進行中の大型プロジェクトを取り上げてみた。

都心の大規模跡地に誕生する巨大複合都市
~汐留地区~
 JR線の新橋駅と浜松町駅の間にある汐留地区では、旧国鉄汐留貨物駅跡地と周辺の約31ヘクタールという広大な土地を対象に、東京都の都市基盤整備と民間の再開発を併せた大プロジェクトが進行している。

 汐留はその名のとおり、かつては海辺の湿地帯であり、江戸時代の町づくり計画によって埋め立てられ、大名屋敷を有する武家屋敷街となった。明治になって日本初の鉄道が開設された際、「汽笛一声~」で知られる新橋ステーションがこの汐留に建設され、華やかで活気のある街となったが、その後、大正になって東京駅が開設されると、旅客運輸の機能が現在の新橋駅に移されて汐留は貨物専用駅となり、昭和61年(1986)に廃止されるまで、街は小運送店の集まる貨物ターミナルを形成していた。

 区画整理事業は、東京ドーム約7個分という広大な跡地を対象に、土地利用の大規模な転換を図り、都市機能を更新する目的で、1995年に始まり、平成19年(2007)の完了を予定している。

 もともと都心にある汐留は、銀座や丸の内、臨海副都心とも隣接しているが、今回の事業では骨格となる環状2号線や補助313号線など都市計画道路や区画道路が整備され、また、平成14年(2002)には東京臨海新交通ゆりかもめや都営地下鉄大江戸線の新駅も開業する予定で、交通アクセスは格段に向上する。さらに、緑豊かな浜離宮恩賜庭園や東京ウォーターフロントの景観を望める好立地でもあることから、ビジネス、商業、文化、居住などの機能を併せ持った、複合都市としての開発が行われている。

 具体的な土地利用としては、JR線の西側地区では既成市街地の共同ビル化が進められ、浜離宮に面した東側地区では電通や共同通信社の本社オフィス、日本テレビ放送網の放送施設、都市基盤整備公団の賃貸住宅など、10棟以上の超高層ビルが建設される。併せて、公共歩行者道・歩道橋等を連結するオープンスペース、ペデストリアンデッキや、サンクンガーデンの整備、地下においては、地下鉄の駅と共に地下歩道、地下車路、共同溝などの設置も進められている。平成14年(2002)秋に予定されている、47階建の超高層分譲マンション、ツインパークスの竣工を皮切りに、汐留地区は徐々に変貌を遂げ、遠からず人口約5万人を有するビッグシティへと生まれ変わる予定である。

IT関連産業の世界的拠点へ
~秋葉原地区~
 世界有数の家電・電子機器販売の集積地として知られる秋葉原地区だが、汐留地区と同じく、昭和50年(1975)に旧国鉄秋葉原貨物駅が廃止され、平成元年(1989)には神田市場も廃止されて、都内有数の大規模跡地を有することになった。ここに平成5年(1993)、新たに都市高速鉄道つくば線(常磐新線)の乗り入れ(秋葉原~新浅草)が決定したことを受け、平成9年(1997)から、跡地の有効利用と都市機能の更新を図る土地区画整理事業が進められている。

 対象となるのは、秋葉原駅周辺の約9ヘクタールの土地。もともと秋葉原地区は、JR山手線・総武線で都心や副都心へのアクセスが容易な場所だったが、ここにつくば線が加わると、柏・流山を経由して、高度な研究・教育施設が集積するつくばへと至り、約3百万人の後背人口を新たに抱えるターミナル駅となる。

 また、平成12年(2000)に東京都が発表した「東京構想2000」では、秋葉原地区について、「電気街がもつ魅力や世界的知名度に支えられた集客力を活用し、IT関連産業の集積を促進していくことにより、高付加価値なビジネス市場を創造するとともに、IT関連産業の世界的な拠点を形成していく」としてある。

 こういったことを踏まえ、区画整理事業の土地利用方針は、全体を四つのゾーンに分け、駅周辺では交通広場を中心に利便性を強化して商業施設等の立地を促進し、北側では居住機能の集約化を図り良好な住環境を形成し、西側と東側では、既存の電気街や業務・商業施設等に配慮しながら、IT拠点を形成する業務・商業施設の立地を促進するとしている。

 実際にどのような施設が建設されるか、まだ不明な部分が多いが、つくば線の開業予定である平成17年度(2005)には、街は大きく様変わりしていることだろう。

民間最大級の再開発プロジェクト
~六本木六丁目地区(六本木ヒルズ)~
 六本木周辺は、地下鉄南北線や都営地下鉄大江戸線の開業で飛躍的にアクセスが向上した地域だが、これに併せ、アークヒルズに続く二つの民間の再開発が進められている。

 その一つである六本木六丁目地区(六本木ヒルズ)は、テレビ朝日の放送センターを中心とした約11ヘクタールの区域が対象で、完成後の総延床面積は約72万平方メートル、民間としては権利者約4百名から成る国内最大級の再開発事業である。発端は、老朽化した放送センターの建て替えで、これに併せて周辺の低層密集市街地の再編を行う意向で昭和61年(1986)、東京都から再開発誘導地区の指定を受け、平成2年(1990)に再開発準備組合を設立。平成7年(1995)の都市計画決定を経て、平成10年(1998)にテレビ朝日、森ビルをはじめ多数の権利者によって再開発組合が設立された。

 開発事業のコンセプトは、六本木を、「さまざまな人々が1日を通じて働き、住み、憩う、東京の新しい都市像としての"文化都心"」へ再生するというもの。地区を三街区に分け、北街区には六本木ヒルズのメインゲートとして、地下鉄日比谷線六本木駅と地下連絡通路で直結する駅前プラザを整備し、店舗や学校などで構成される複合ビルを配置。そして中央街区には、ランドマークタワーとなる54階建の業務棟。その最上階に文化発信源のシンボルとして、世界のアートを展示する展望美術館を設置するほか、放送センター、ホテル、劇場などの施設が計画されている。また、元麻布の閑静な住宅地につながる南街区には、多様な年齢層やライフスタイルに対応すべく、賃貸を中心に超高層から中・低層棟まで、約8百戸の住宅を整備。居住人口は従前の約8百人から約2千人に、昼間就業人口は約1万5千人になる見込み。

 また、現在、トンネルで立体交差となっているため、行き来ができない六本木通り(放射22号線)と環状3号線を平面接続するほか、地区内を東西に走る道路を整備してテレビ朝日通り(補助10号線)と環状3号線を接続、交通渋滞を緩和し、歩行者動線を確保する。さらに、旧毛利邸跡地の池や緑地をパブリックスペースとして整備するほか、計画敷地の過半をオープンスペースとし、各建物の低層部にはゾーンごとにテーマを持った商業施設空間を配置するなど、全体にメリハリのある都市空間を目指している。

 工事は2000年に着工しており、2003年に竣工予定。夜の街としてのイメージが強い六本木が、文化の発信・中心地を目指す六本木ヒルズの登場でどのように変わるのか、答えはもうすぐである。

国際性、文化性、自然との調和を目指した複合都市 ~六本木一丁目西地区~
 もう一つの六本木一丁目西地区は、アークヒルズに隣接し、地下鉄南北線の新駅・六本木一丁目駅と直結する、約3.2ヘクタールの土地を対象に再開発が行われている。住友不動産などが所有する土地と周辺の低層密集市街地を整備し、土地の高度利用と都市機能の更新を図る目的で、昭和62年(1987)に地元住民による再開発協議会が発足。昭和63年に準備組合が設立され、平成6年(1994)の都市計画決定。平成7年に再開発組合が設立し、平成10年(1998)に東京都より権利変換計画が認可された。

 建設される施設は、地上43階建と6階建の2棟の業務棟、地上32階建の住宅棟、それにホテル、美術館棟、展示ギャラリーなど。周辺に大使館やシティホテル等が立地することを考慮に入れ、住居機能と商業・業務機能が複合した、国際性・文化性豊かな街区の形成を目指している。

 この区域の特色は、東側を走る通称・尾根道といわれる道路沿いに既存の森があることである。計画はこの森を保存し、ここに美術館・展示ギャラリー(地下)を設置して、地域の文化の核となるゾーンを形成する予定。住宅棟は、この森を南に見る形になる。また、六本木一丁目駅から文化ゾーンまでの歩行者通路は上り坂になっているが、ここにも緑が配され、都市の賑わいと自然との触れ合いが調和したアーバンリコドールとして整備される予定である。

 再開発事業は平成11年(1999)に着工し、平成14年(2002)の竣工が見込まれている。都市の利便性と自然のやすらぎを提供する、これからの都市空間として、地域の人々の人気を集めるに違いない。


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